要らない土地や家に困ってしまうと、「いっそのことタダでも良いから手放したい」と思う人もいるかもしれません。自治体への寄付・寄贈というアイデアを思いつく人も多いようです。
それでは神戸市の場合は、不動産の寄付や寄贈はできるのでしょうか。
「神戸市はいらない土地や不動産を引き取ってくれるの?」
「不要な不動産があるけれど、神戸市に寄付できない?」
こうした疑問に、今回はお答えしていきます。
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神戸市は要らない家や土地の寄付を受け入れていない
まずは、「神戸市における土地の寄附受けの状況」という市の資料を見てみましょう。https://www.kok.or.jp/project/pdf/fumei2_03_3_1.pdf
この資料によると、
「原則として、行政目的で使用する予定の無い土地は受け入れていない。」
とされています。つまり、「不要な不動産だから神戸市に寄付しよう」と考えても、そういった理由では寄付を受け入れてもらえない可能性が高いと言えるでしょう。
神戸市が不動産の寄付受け入れに積極的でない理由
先ほどの資料を見ると、神戸市が寄付受け入れに積極的ではない理由も書かれています。
●土地所有者による管理責任の放棄を促すことになり、価値の無い土地は行政に寄付すれば良いというモラルハザード対策
●受け入れを行うにあたっての境界確定や残置物の確認などが、一定の経費等が必要
●土地によっては、災害防止対策等が必要(経費等)
●不動産事業者等からの不要土地等(事業残地等)の寄附申し出が大量に見込まれるため、慎重な判断が必要
●固定資産税収入の減少出典:神戸市における土地の寄付受けの現状
https://www.kok.or.jp/project/pdf/fumei2_03_3_1.pdf
「要らないし売れない不動産なら市に寄付してしまえばいい」と、安易に考える人が増えてしまうと、神戸市も困ってしまうことが読み取れます。
要らない土地を譲られても、境界確定や残置物の確認、災害対策など、費用ばかりが掛かってしまうのは、行政としても避けたい所でしょう。また、「固定資産税収入が減ってしまう」と、市の財政に与える影響も懸念されているようです。
神戸市に寄付できる不動産の条件
神戸市は、行政目的で使用する予定の無い不動産は、寄付を受け付けていません。
ですが一方で、次のような制度の条件に当てはまる場合は、寄付を受け入れているようです。
密集市街地防災まちづくり寄付受け事業
「密集市街地防災まちづくり寄付受け事業」は、防災の観点から、密集地域にある土地の寄付を受け入れる制度です。
「燃え広がりにくいまちづくり」「建物が倒壊せず、避難が可能なまちづくり」を目的として、平成23年3月よりスタートしています。
この制度は、阪神大震災の教訓を生かしたものですね。あの震災の発災時、建物の倒壊と火災で、多くの犠牲が生じてしまいました。こうした悲劇が二度と起きないよう、住宅などの密集を避けるまちづくりが進められています。
条件
- 灘北西部、兵庫北部、長田南部、東垂水(対象区域図参照)に土地が存すること。
- 防災まちづくりに寄与すると認められること。
- 土地・建物の所有権を有する者全員の同意が得られていること。
- 土地に賃借権等が設定されていないこと。
- 土地が人の往来のある道でないこと。
なお、上記の条件を満たしていても、かならず寄付を受け入れてもらえるとは限りません。市の審査会で審査が行われ、条件を満たしたもののうち、予算の範囲内で採択が行われます。
土地建物寄附受け制度
神戸市では、古くなって危険になった空家など、老朽危険家屋の対策としても、不動産の寄付受けを行っています。
「神戸市建築物の安全性の確保等に関する条例」に基づいて創設された制度で、こちらも条件に合う場合のみ寄付受けが検討されるようです。詳しくは神戸市役所の担当部署にお問い合わせ下さい。
神戸市建築住宅局建築指導部安全対策課
〒651-0083神戸市中央区浜辺通2-1-30三宮国際ビル5階
電話(078)595-6573
道路用地や施設管理など、必要な土地
市が必要としている土地については、神戸市も寄付を受け入れることもあるようです。
たとえば道路の幅を拡張したり、新しい公的施設を作る場合などが挙げられます。
こうした場合の寄付受け入れは、市がどんな事業を進めているか、その時々の実施状況により異なるでしょう。
神戸市で不動産の寄付を断られた事例
市の資料には、神戸市に寄せられた不動産の寄付の申し出と、受け入れを断った件数、その事例についても掲載されています。こちらもチェックしていきましょう。
神戸市が土地の寄付を断った件数
平成27年~平成29年までの間に、記録に残っているだけで87件の寄付が断られています。
<神戸市が土地の寄附を断った件数>
平成27年度 | 24件 |
平成28年度 | 39件 |
平成29年度 | 24件 |
※ 記録を残しているもののみの件数。電話対応のみで納得された場合は記録なし。
神戸市が不動産の寄付を断った事例1
・物件:老朽アパート、老朽家屋
・寄付の申し出の理由:売却・活用が難しく、今後の活用予定もないため。また、固定資産税を払い続けることが負担。
・神戸市の対応:寄付を断った
古くなったアパートと空家で、活用する予定もなく、固定資産税が掛かり続けるのがつらいから…といった理由で、神戸市に寄付を申し出られたようです。
ですが神戸市としても条件に合わず、寄付受けを断りました。
「要らないから」
「使い道が無いから」
「固定資産税を払いたくないから」
といった理由では、神戸市も不動産の寄付を受け入れていないことが、改めてよく分かる事例です。
神戸市が不動産の寄付を断った事例2
・物件:企業による環境アセスメントの保全地区
・寄付の申し出の理由:工事終了に伴い、管理が難しくなるため。
・神戸市の対応:寄付を断った
市民だけでなく、企業でも神戸市に不動産の寄付を申し出て、断られている事例があります。
この事例では、環境アセスメントのために企業が保全していた地区が問題になりました。管理が難しくなったことから、企業が神戸市に土地の寄付を申し出たのですが、神戸市はこれを断っています。「事業者自らが保全対策を実施することが原則である」というのが、その理由です。
本当に寄付で大丈夫?要らない土地や不動産
神戸市の資料を確認すると、やはり「要らないから」「売れないから」「固定資産税が負担だから」といった理由では、市も不動産の寄付を受け入れていないことがわかりました。
ここで改めて考えておきたいのが、「本当に寄付したいのか?」という点です。
活用できない不要な不動産を持っていると、「タダでも良いから手放したい」と、気持ちばかり焦ってしまうもの。ですが、自分にとっては要らない不動産でも、誰かにとっては必要な不動産かもしれません。
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