インボイス制度が不動産オーナーに与える影響とは?

昨年あたりからちらほら聞くようになったインボイス制度。インボイス制度は消費税に関わる新たな決まりというイメージですが、何が変わるのかを説明できる人は少ないハズです。税金に関する計算はめんどくさい事や専門的な内容なだけに、できれば避けたいところですね。実はこのインボイス制度は、賃貸経営を営む不動産オーナーにとって無視のできない制度ということはご存じでしょうか?もしも経営状況が難航していて、ギリギリで運営をしている不動産オーナーにとっては、より苦境に立たされてしまう可能性さえあります。この記事ではインボイス制度の目的や、仕組み、不動産オーナーに与える影響などを徹底解説していきます。事前の準備や大家さんが取るべき対処方法などもご紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。

インボイス制度とは?

インボイス制度は2021年10月1日から受付を開始しています。2023年の10月1日から適用される税金の新たな制度です。国税庁のホームページにも特設サイトが併設されていることから目にしたことのある人も多いのではないでしょうか?インボイス制度は消費税に関わる新たなルールです。消費税と聞くと家賃収入をメインとする免税事業者である不動産オーナーは関係ないのではないか?と考える方もいます。ですが、このインボイス制度の狙いを考えると免税事業者である不動産オーナーだからこそ、賃貸経営に大きな影響を与えるでしょう。なぜインボイス制度が免税事業者である不動産オーナーに影響があるのでしょうか?インボイス制度の理解を深めるために、まずは重要なキーワードを抑えていきましょう。

インボイス制度を理解するための重要キーワード

インボイス制度を理解するために4つのキーワードを解説していきます。不動産オーナーにとっては馴染み深いキーワードが多いかもしれませんが、4つの関係性を知ることがインボイス制度の全容を掴むことができますので、復習していきましょう。

課税事業者

課税事業者とは消費税課税事業者を略しています。通常、物品や品物を購入すると購入代金に対して消費税を納付していますね。法人や個人事業主はそれぞれで消費税を納付する必要があります。ご自身が課税事業者であるかどうかは年間で1000万円以上の課税売上高があるかどうかで判定されます。この期間は2期前の事業年度(個人事業主の場合は2年前の1月から12月)の課税売上高を指しており、この期間を基準期間と言います。課税事業者になれば、その課税期間の開始前に税務署へ消費税課税事業者届出書を提出する必要があります。課税事業者へは課税売上高によって自動的に切り替わりますが、この届出書を事前に提出していないと還付金などが発生した場合に受けられなくなってしまいますので、事前の提出が必要ということを把握しておきましょう。

免税事業者

一方免税事業者とは基準期間内の課税売上高が1000万円以下の法人や個人事業主を指します。免税事業者は消費税の納付義務が控除されます。また収入の種類によっても課税対象となるものとそうでないものに分類されます。住人からの家賃収入がメインの不動産オーナーであれば、基本的に消費税の課税対象に含まれないため、現行の制度では消費税が免除されている大家さんが多いのではないでしょうか?課税対象となる収入と免除される収入は以下のように分類されます。

【消費税が課税されるもの】

  • 店舗・事務所・倉庫の賃貸収入
  • 駐車場の賃貸収入、太陽光発電収入
  • アンテナ基地局の収入
  • 賃貸期間が1ヶ月未満の住宅家賃収入
  • 賃貸建物の売却収入

【消費税が課税されないもの】

  • 住宅の家賃
  • 駐車場賃料(家賃に含まれている場合)
  • 土地の賃料
  • 土地の売却収入など

このように同じ不動産収入の中でも、消費税の納付義務が発生する収入とそうでない収入があることを把握することが、インボイス制度では非常に重要なポイントとなります。

消費税の計算方法

税金は、徴収方法によって直接税と間接税の2つに分けられます。直接税は、納税義務者が直接納税する税金です。間接税は、一時的に事業者が納税義務者が収めた税金を預かるなどして、担税者が異なる税金を指します。消費税は、間接税に該当します。普段の生活の中でもお買い物をする時に、商品に対して掛かる税金をお店が預かっていますね。購入者は商品の代金に上乗せして、お店に料金を払っていることから、消費税が間接税に該当するということはイメージのしやすい例と言えます。一般の勤め人ではなく、法人として事業を営んでいる場合や、個人で事業を営んでいる場合、このお店と同じ役割を担わなければなりません。現行の日本の消費税率は、10%(国税7.8%、地方税2.2%)です。一部の品目のみ軽減税率の8%(国税6.24%、地方税1.76%)が適用されています。個人事業主や、法人の消費税額の計算方法は課税売上に掛かる税金から仕入れに掛かった税金を差し引きます。個人事業主の場合は1月1日から12月31日の1年間、法人の場合は事業年度によって計算されます。

適正請求書発行事業者

適格請求書等保存方式はインボイス制度の正式名称です。複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式を総称しています。インボイス制度は、商品やサービスの売り手と買い手の双方に適用され、売り手側は適格請求書を発行し、写しを保存、買い手側は適格請求書を保存する必要があります。適格請求書等保存方式が対象となるケースは取引先が課税事業者であることがポイントです。つまり年間で1000万円以上の課税売上高のある課税事業者と取引を行う際に、適用される制度となります。適格請求書を発行するには、適格請求書発行事業者へ登録が必要となります。現在国税庁のホームページで案内されている内容は、適格請求書発行事業者への事前登録を促すアナウンスで、初年度からインボイス制度を利用したい課税事業者向けの内容となっています。

インボイス制度が不動産オーナーに与える影響とは?

住宅用アパート・マンションをメインに所有する大家さんは、非課税売上がほとんどであり、免税事業者である場合が多いです。インボイス制度は課税売上に対する新たな税制度ですので、やはり無関係と考える大家さんもいるハズです。また前述のように免税事業者はインボイス登録事業者になれません。インボイス登録事業者になるには、あえて課税事業者になる必要があります。なぜここで、あえて課税事業者になる選択肢を紹介したかというと、インボイス事業者登録をしない免税事業者が、最もインボイスの影響を受けることになるからです。住居貸しをメインにしている大家さんでも、インボイス制度は無関係ではないということを忘れてはいけません。

インボイス制度で大家さんの収入が減少してしまう可能性

消費税の課税対象とならない家賃収入ですが、これは住人からの賃料の話です。事業者に対してテナントを貸し出すような不動産オーナーであれば、インボイス制度の影響を大きく受けることになるでしょう。例えば賃料が110万円のテナントを事業者に貸出をして収入を得ている不動産オーナーがいたとします。インボイス制度の導入前であれば、免税事業者である不動産オーナーと取引をしている事業者は110万円に対して賃料が100万円、消費税が10万円の内訳となるため、事業主は仕入れ(テナントの借り入れ)に掛かった費用として、10万円分の控除を受けることができました。ここでは不動産オーナーの収入が1000万円を超えてしまいますが、計算のしやすい数値を例としています。現実的にはここから管理費や経費が引かれることがほとんどですので、免税事業者と取引をしているとイメージしてください。インボイス制度が導入された場合、免税事業者である大家さんは適格請求書発行事業者へ登録をしていなければインボイスを発行することができません。インボイスが発行できない取引では、これまで控除されていた仕入れ値として控除されていた消費税が事業者負担となってしまいます。そのため、インボイスを発行できない免税事業者と取引を嫌う事業者が現れても不思議ではありません。インボイス制度がまだ開始していないため一概には言えませんが、不動産オーナーにとって顧客離れが起きてしまう可能性を含んでいることになります。

インボイス制度で大家さんが迫られる対応とは?

インボイス制度が導入された場合、大家さんが取るべき対応はどのようなものがあるのでしょうか?ここでは2つのケースをご紹介していきます。まずは家賃の減額です。先ほどの賃料110万円(家賃100万円+消費税10万円)のテナントの場合、事業主負担を考慮して家賃を10万円減額することで、顧客離れを防ぎます。一時的な収入は減少するデメリットはありますが、一般的な住居として貸し出しを行う不動産オーナーよりも顧客が着きにくい店舗・テナントを扱う不動産オーナーにとっては空室リスクを減らすことができるでしょう。もう一つは課税事業者となってインボイスを発行できるようにすることです。インボイスは適格請求書発行事業者へ登録をしていなければ発行することができません。不動産オーナーすべてが適格請求書発行事業者へ登録をしなくてはいけないのか?という点に関しては一概に言えないところがあります。インボイス制度が本格的に開始される2023年までにはまだ時間がありますので、現在扱っている顧客や世間の動向には要注目です。税金の仕組みなどは複雑で、もしも間違った行動を取ってしまうと思わぬ損失を受けてしまうことがあります。そのため専門性の高い知識を持つ税理士や、不動産管理に強い不動産屋さんに相談してみても良いかもしれません。

不動産オーナーには心強いパートナーが必要な理由

不動産オーナーは家賃収入が収入のほとんどを占めています。空室リスクや稼働率など日々頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?また税金や法律など専門性の高い知識も必要です。同じ境遇の人が周りに少ないことから相談ができずに判断に困る不動産オーナーも珍しくありません。不動産オーナーにとって最も良き相談相手になる人は実はその地域に根差した不動産屋かもしれません。節税対策から法律、穴場物件など特に地域性が重要となる情報はその地域を理解し、土地に根差した営業をしている不動産屋が強い味方となってくれるハズです。もしも神戸市中央区であればKOBE賃貸ナビにお任せください。

【地域性を理解している】神戸市中央区で不動産管理の相談をするのであればKOBE賃貸ナビ

KOBE賃貸ナビの公式ホームページには数多くの穴場物件の紹介がされています。KOBE賃貸ナビは神戸市中央区を拠点としていることから神戸市の地域性を理解して、不動産オーナーにとって所有するメリットの高い物件を紹介しています。インボイス制度導入後の不動産市場の動向にも身近に触れられる不動産屋の強みを活かして、相談者にとってメリットの高い不動産経営をアドバイスしてくれるでしょう。KOBE賃貸ナビは物件の紹介から売却の相談、不動産管理に関する諸手続きなど全てを一任できる不動産管理のプロとして、神戸市の不動産オーナーに貢献しています。

【不動産管理はもちろん、税金など豊富な知識が魅力】神戸市中央区で年間300件以上の相談実績

KOBE賃貸ナビは神戸市中央区で地域に根差した営業をしている不動産パートナーです。年間で300件以上の相談実績を誇り、無料相談窓口を設けていることから神戸市中央区では多くの支持を集めています。また要望さえあればエリア外の物件に対する相談も可能ですので、レスポンスの良い不動産パートナーと評価できるでしょう。

まとめ

この記事ではインボイス制度が不動産オーナーに与える影響について解説をしてきました。住人からの賃料で収入を得ている不動産オーナーには直接的な影響はないかもしれませんが、賃料に含まれない駐車場の賃貸収入、太陽光発電収入、アンテナ基地局の収入、賃貸建物の売却収入などはインボイス制度対象となりますので決して他人事ではありません。現在所有する物件の将来像をイメージしながら一度税金に詳しい専門家や、地域密着型の不動産屋さんに相談することをおすすめします。

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