2023年には、不動産業界を直撃する新制度や法改正が始まります。
さらに世帯数が減少すると言われているため、業界全体が大きな変化を迎える年になりそうです。
「2023年問題」といわれるもので、今まで以上にオーナーは様々なことに目を向けていかなければいけないかもしれません。
2023年問題と言われる世帯数減少と、新制度、法改正について紹介します。
所有者不明問題解消に向けた新制度、法改正
2023 年4 月には民法改正と相続土地についての新しい制度が始まります。
社会問題化している所有者不明土地問題を解消するための法改正です。
国交省調査では国土の20%以上が実質的な所有者が不明な状態になっているとされています。
土地の有効利用だけでなく防災や災害復旧などの面からも問題視されており、今回の民法改正は相続登記の義務化(24年4月)や土地を手放すことができる相続土地国庫帰属制度(23年4月)が整備されました。
ただし過疎地などの不動産を相続する人なら誰でも申請できますが、審査があります。
審査があることで、以下のようなデメリットもあると言われています。
- 審査料がかかる
- 審査通過後、土地管理の費用が10年分必要
- 建物がある土地や崖地、境界未確定の土地などは対象外
民法改正では複数人で共有する不動産について、これまでは所在が分からない共有者がいる場合、不動産の利用について共有者間の意思決定ができないといった問題がありました。
軽微なものなら過半数でよいことに緩和されます。
また所在不明の所有者がいる場合、以下の条件により不動産全体を処分できます。
- 共有者は地方裁判所の決定を得る
- 不明者の持分を取得する
新制度、法改正の行方は継続して見守る必要がありそうです。
いよいよ世帯数も減少する2023年問題
2023年以降は、世帯数も減少すると予想されています。
賃貸住宅業界全体に影響が及ぶ話だとされており、識者は注意喚起していることも多いです。
2023年問題とされる世帯数の減少は、国立社会保障・人口問題研究所の発表が元になっています。
「2023年に5,419万世帯でピークを迎え、その後は減少に展示、2040年には5,076万世帯まで減る」
参考:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」
これまでの住宅業界において、人口が減っていても市場全体が大きくなっていた根拠が世帯数の増加でした。
2023年問題は、入居者を求めるのが難しくなり、物件ごとの優勝劣敗が激しくなることを意味しています。
例えば首都圏は2030 年に708 万世帯まで世帯数が増加し、しばらく横ばいが続いて減少に転じても、2040 年が699 万世帯と緩やかに下がっていきます。
東京一極集中というよりも、各地域の中核都市に人口が集中するといわれているのです。
まとめ
2023年には世帯数が減少すると言われています。
これまで市場全体が根拠にしていた世帯数の増加が、ついに止まることを意味しています。
新制度や法改正は、所有者不明問題を解決するものですが、世帯数減少には注意を払っていかなければいけません。
大きな痛手を負う前に、対策を施せるよう準備しておく必要があります。
これからもっと有益な情報を取材し、お届けしていきます。
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