
こんにちは!KOBE(神戸)売却ナビの恋水です。日本は世界有数の地震大国です。近年では、地震発生率が低いと考えられていた熊本、北海道、能登半島でも大規模な災害が発生し、「国内で安全な地域は存在しない」と言われるようになっています。そして、地震災害は賃貸経営にも大きな影響を及ぼします。本記事では、「賃貸経営における地震災害のリスク」について解説します。
- 地震災害がもたらすリスクとは?
- オーナーが準備できること
- 地震に備えるための保険加入を考える
- 起きた時とその後にやるべきこと
地震災害が賃貸経営にもたらす2つのリスク
賃貸経営における地震リスクは、大きく分けて2つあります。
① 想定外の修繕費負担と家賃収入の減少
地震による建物被害は、全壊・半壊・一部損壊と様々ですが、いずれの場合でもオーナーには多額の修繕費が発生します。これを軽減できる手段として地震保険がありますが、その詳細は**第3回「地震に備えるための保険加入」で解説します。
さらに、修繕工事の期間中は家賃収入が途絶えるため、想定以上の経済的ダメージを受けることになります。こうしたリスクを軽減するためにも、事前に耐震補強を行うことが重要です。この具体的な対策については、第2回「オーナーが準備できること」で詳しく説明します。
② 損害賠償請求のリスク
本記事のメインテーマは、「大家さんが損害賠償請求されるリスク」についてです。
▼ 地震による倒壊事故がもたらす賠償リスク 地震による建物倒壊や外壁の崩落で入居者が死亡・負傷した場合、被害者や遺族から建物所有者が訴えられるケースが発生しています。
これは、建物所有者には、建物・設備の不備によって他人に損害を与えた場合、責任を負う義務があると法律で定められているためです。
「建物が壊れるほどの大きな地震は不可抗力なのに、なぜ大家が責任を問われるのか?」という疑問を持つ方も多いでしょう。しかし、ここで重要なのは、あくまで「建物・設備に不備があった場合に限る」という点です。
では、どのような状態が「不備」にあたるのか?
その答えの一つが、「建物の耐震性能」です。
耐震基準と賃貸オーナーの責任
日本では、建築時の基準として「建築基準法」により耐震基準が定められています。1950年(昭和25年)に制定されて以来、地震被害を受けるたびに改正が行われてきました。
① 1978年の宮城沖地震後の耐震基準改正
1978年(昭和53年)に発生した宮城沖地震の被害を受け、耐震基準が大幅に強化されました。
そのため、現在の基準に満たない建物は「耐震性能に不備がある」と判断され、損害賠償責任を問われる可能性が高くなります。
② 阪神・淡路大震災(1995年)の判例
1995年の阪神・淡路大震災では、神戸市の賃貸マンションの1階部分が倒壊し、入居者4名が死亡する事故が発生しました。遺族らは建物所有者(賃貸オーナー)に対して損害賠償請求を行いました。
裁判所の判断
裁判所は、当該建物について、
「建築当時の基準を満たしておらず、通常有すべき安全性を欠いていた」
と判断しました。その結果、建物の設置や保存に瑕疵があったと認定され、
所有者に1億2900万円の損害賠償の支払い命令が出されました。
判決のポイント
- 建築当時の耐震基準を満たしていたか?
- 通常予測される地震に耐えられる構造か?
これらが、所有者の責任を判断する基準となります。
地震災害リスクに備えるために
賃貸オーナーとして、地震による損害賠償リスクを最小限に抑えるためには、以下の対応が不可欠です。
① 建物の耐震診断を実施する
築年数がある程度経過している場合は、一度耐震診断を受けることをおすすめします。特に、外壁のひび割れや劣化がある場合は、早めの点検が重要です。
② 耐震補強を行う
耐震診断の結果、補強が必要と診断された場合は、耐震補強工事を実施することを検討しましょう。多くの自治体では、耐震補強工事に対する補助制度が用意されているため、積極的に活用することをおすすめします。(詳細は**第2回「オーナーが準備できること」**で解説予定)
③ 地震保険に加入する
地震による修繕費や家賃収入減少に備えるためには、地震保険が有効です。火災保険とセットで加入できるため、詳細については**第3回「地震に備えるための保険加入」**で詳しくご紹介します。
まとめ
賃貸経営における地震リスクは、大きく**「修繕費負担と家賃収入の減少」と「損害賠償リスク」の2つに分類されます。特に、耐震基準を満たしていない建物は、損害賠償責任を問われる可能性があるため、オーナーは早急に耐震診断や補強を検討する必要があります。
賃貸経営のリスクはゼロにはできませんが、適切な準備で最小限に抑えることは可能です。オーナーの皆様が地震リスクにどう対応すべきかを考えていくことが大切かもしれません.