退去が最も多い月が3月です。
退去に関する悩みは多く、特に退去処理について頭を悩ます人も多いのではないでしょうか。
退去にまつわる賃貸管理業務について、退去率を向上させる目的で説明します。
全国の成約賃料や入居に関する拒否感を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【全国の成約賃料は?住居期間は?入居に対する拒否感は?】
退去にまつわる賃貸の現状
新しい入居希望者の内見や入居を、3月中におこなうには退去を早める必要があります。
学生さんの場合、就職先が決まっているなら引っ越しも早めてほしいでしょう。しかし「配属先が分かるまでは転居先が決められない」などの事情で月末まで引き伸ばされることがあります。
たとえ勤務地が決まっていても、転居先アパートの借主の退去が遅れると「引っ越したくてもできない」という事態も起こります。
結果として退去が3月ギリギリになると、その後の原状回復工事を急いでも入居可能になるのは4月になります。
繁忙期を逃すと問い合わせが極端に減るので頭の痛い事態です。
入居率を上げるための工夫
早く退去してもらい、新しい入居者を迎えるために2つを意識する必要があります。
- 早期退去をお願いする
- 退去から入居可能までの期間を短縮する
それぞれに工夫ができる可能性があるため、紹介します。
早期退去をお願いする
少しでも早く退去してもらうために「3月10日までの退去なら日割り家賃は免除する」などの特典を提示することもあります。
事前に退去意識を確認しておくことで、退去までの日数を計算して伝えておくのがよいでしょう。
日割り家賃を免除するなどの特典を用意しておけば、入居者も負担を減らそうと努力する傾向があります。
退去から入居可能までの期間を短縮する
「退去から入居可能となるまでの時間を可能な限り短くする」ことも重要です。
退去から入居可能になるまでの期間には、2つのポイントがあります。
- 工事発注までの期間
- 工事期間
それぞれの内容を紹介します。
工事発注までの期間
管理スタッフは退去後、すぐに工事業者さんから見積りをとります。
もし壁や床に傷があるなど故意・過失による工事が含まれる場合は、借主に負担額を伝えて承認してもらう必要があります。
大家さんにも、通常の原状回復工事以外でご負担がある場合は承認を得る必要があります。
そのうえで工事発注となりますが、ここで数日を要してしまうと、お客様の内見や入居が可能となる日が遅れてしまいます。
たとえ一時(ひととき)でも短縮することが重要なのです。
工事期間
さらに縮めたいのが「工事期間」です。
3月は工事業者さんも忙しいので、希望だけを聞いていると完了日が遅くなります。
こちらから「完了希望日」を決めて伝えることが大事です。
そのために、無理を聞いてもらえる関係を日ごろから築いておくことが大切です。
退去後の工事が滞ると、つぎのお客様に公開できるタイミングが遅れます。
新しい借主さんの入居に支障がでますので、「時短に対する認識」はとても重要です。
立つ鳥に跡を濁させないために
3月は学生さんの退去が多いのが特徴ですが、そこで持ち上がるのが「ゴミ」の問題です。
引っ越しは「処分したいゴミ」が大量に出るものですが、そのままゴミ置き場に捨てられては大変です。
そこで、退去が決まったら、ゴミを計画的に処分するようにお願いします。
自治体ごとの回収方法・条件を伝える
特に粗大ゴミは、自治体ごとに回収の条件や予約方法がホームページで説明されています。
そのアドレスなどを伝えて、退去の前に処分を完了させるように伝えましょう。
これは「指導する」といってもよいレベルです。
また、「ゴミ置場に引っ越しゴミが残置された場合は撤去費用が請求されます」という罰則を科すのも良いアイディアだと思います。
退去までのチェックリストを活用する
入居者が退去連絡を受けると「退去までのチェックリスト」を書いた書面を渡します。
そこには、前述の「ゴミ処分」のほかに以下のものを列挙しておきます。
- 電気の解約
- ガスの解約
- 水道の解約
- 住民票の転出届け
- 各契約関係の住所や連絡先の変更
- 引越し時の忘れ物への注意
最近、変更手続きや忘れ物に関して変化が起こっています。(参照:アットホーム|賃貸の退去時に最も見落としがちなことランキング)
借主さんが利用している通販サイトに登録してある届け先の変更が「見落とされがち」なのです。
利用している通販サイトは一つや二つではなく、中には二桁となる方もいます。そのため変更漏れが起こりやすくなっています。
引っ越し後に商品を注文するときに気付いてくれればよいのですが、以下のようなことが起こっています。
- 宅配ボックスに商品が入れられる
- 商品を玄関前に置かれる
前の入居者の荷物が配達されると、保管して転送するという手間がかかります。
「退去が決まった借主さんへの注意すべき事項が増え続けている」という次第です。
各自治体のゴミ処分方法を知りたい場合、以下のサイトから自治体ホームページへ飛ぶことができます。
【日報ビジネス株式会社|全国自治体ごみリンク】
まとめ
3月は退去が一年で一番多い月です。
つづいて原状回復工事があり完了検査も多くなります。当然入居も一番多くなります。
それに連動して募集活動でも大忙しです。
少しでも無駄な作業を減らして、大家様のために効率よく動けるように業務改善を続けることが管理スタッフの大切なテーマとなっています。
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