こんにちは。KOBE売却&買取ナビ店長の恋水です。もうすぐ今年も終わり、学生たちが成績評価を受ける学期末のような季節がやってきます。これは、賃貸経営においても「成績表」をつけるということは非常に自己所有物件を分析するのに非常に役立ちます。これは単に成果を知るためだけでなく、次年度に向けた改善策を立て、より良い結果を目指すためにもなります。この記事では、賃貸経営においてどのような数値で成績を評価し、どういった改善計画を立てるべきか、そのプロセスを具体的に解説します。オーナーが見逃しがちな改善ポイントや、収益を最大化するための戦略についても触れます。
賃貸経営の「成績表」に必要な指標とは?
賃貸経営のパフォーマンスを評価する際、どの指標に着目すべきか?真っ先に思い浮かぶのは「稼働率」ですが、実際の評価はこれだけでは不十分です。
稼働率の罠
稼働率は、物件がどれだけ埋まっているかを示す重要な指標ですが、これが高ければ必ずしも良いというわけではありません。例えば、適正賃料よりも安い家賃で部屋を貸している場合、稼働率は高くても収益が期待以下になることがあります。加えて、過度なフリーレントや仲介業者への過剰な斡旋費用なども、見かけの稼働率を上げる一因となります。
収益は短期だけで評価すべきではない
賃貸経営のもう一つの重要な指標は「収益」です。しかし、単年度の収益だけで評価するのは賢明ではありません。例えば、数年間を見据えてリノベーションやリフォームに投資している場合、投資回収には時間がかかります。短期的な収益だけでなく、長期的な視点で「今後どのように収益が伸びるか」を見極める必要があります。
「あるべき収益」と「取り逃がした収益」
ただし、収益そのものを評価するだけでは来年の課題が見えてきません。ここで重要なのは、「あるべき収益」と「取り逃がした収益」の把握です。「満室時の家賃収入」と「空室ロス」を組み合わせて分析することで、来年以降の課題が浮き彫りになります。
賃貸経営の収益を算出する計算式
まず、賃貸経営における基本的な収益の計算式を理解しましょう。以下がその計算式です。
家賃収入 – 運営費 = 収益
この計算式の「家賃収入」は、実際に得た金額ではなく、「満室であった場合の家賃収入」から「発生したロス(空室期間、修繕費など)」を差し引いた金額です。つまり、来年度の収益を増やすには、「満室時の家賃収入を上げる」か「発生するロスを減らす」という2つのポイントが重要となります。
改善のためのアクションプラン
1. 満室時の家賃収入を上げる
家賃収入を増やすためには、外壁塗装や部屋のリフォーム・リノベーションなどの投資が必要です。ただし、こうした投資は運営費の増加を招き、短期的には収益を圧迫します。だからこそ、長期的な視点で見た投資効果を考慮し、投資タイミングや規模を慎重に計画する必要があります。
2. 発生するロスを減らす
賃貸経営における主なロスは「空室」です。空室ロスを減らすためには、まず「退去の発生」を最小限に抑えることが重要です。退去は完全に防げるものではありませんが、管理体制や入居者満足度を高めることで不要な退去を減らすことが可能です。また、退去後の原状回復工事や次の入居者募集をスムーズに行うことも、空室期間を短縮するために有効です。
賃貸経営の「成績表」に含めるべき指標
それでは、賃貸経営の「成績表」にはどのような数値を含めるべきでしょうか?以下の2つの指標を取り入れることをお勧めします。
- 満室時の家賃収入
- 空室ロス
これらをもとに、以下の2つの計算式で成績を評価します。
満室時の家賃収入 – 空室ロス = 家賃収入 ② 家賃収入 – 運営費 = 収益
この計算式を使うことで、現時点の反省点と、来年度に向けた具体的な改善点が明確になります。また、外壁塗装やリノベーションなど、多額の費用を必要とする投資計画を立てる場合には、短期的な収益だけでなく、3年から5年にわたる長期的な目標設定を行うことが重要です。例えば、500万円のリノベーション投資をした場合は、1年で全額を計上するのではなく、3年から5年にわたって分割して運営費に計上するなど、長期的な視点で経営を評価しましょう。
通信簿を毎年作成するメリット
毎年、賃貸経営の「成績表や通信簿」を作成するのは確かに手間かもしれません。しかし、経営には事業計画が必要であることは間違いありません。適切な計画がなければ、気付かないうちに大きなチャンスを逃している可能性があります。
「成績表」をつけることで、経営の現状が明確になり、今後どのように改善していくべきかが見えてきます。特に賃貸経営においては、稼働率や収益といった数値だけでは見えてこない「本来得られるべき利益」と「損失している部分」を把握することが、長期的な成功の鍵となります。
まとめ
賃貸経営における「成績表」は、単に結果を評価するだけでなく、来年の行動計画を立てるための重要なツールです。稼働率や収益といった短期的な指標だけに頼らず、「本来得られるべき収益」や「空室ロス」を加味した評価を行うことで、長期的に安定した経営を目指しましょう。
適切な成績評価を行うことで、賃貸経営の改善点が明確になり、次年度以降の収益最大化に向けた具体的なアクションプランが立てやすくなります。賃貸経営は長期戦です。定期的な評価と見直しを行い、持続可能な経営を目指していきましょう。
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